海や水環境の研究に挑戦する全国の中高生が、その成果を発表する「マリンチャレンジプログラム」の全国大会が、東京で開かれた。
マリンチャレンジプログラムは、人と海との未来を創り出す仲間づくりのため、次世代の研究者を応援する取り組みで、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環で行われている。
今年度の全国大会には、全国5つのブロックの地方大会で選ばれた15人が出場した。
このうち山口県の松永七海さんは、飲食店やスーパーで廃棄されるイカの甲を活用して、「エギ」と呼ばれるイカ釣り用の疑似餌を開発。海底に引っ掛かったとしても海の中で分解されるため、海洋ごみの削減が期待される。
また、東京都の鈴木雅人さんは、サンゴの一種「マメスナギンチャク」が持つ毒をテーマに研究。複数の実験を繰り返し、生物界で最も強い毒の一つ「パリトキシン」を持つ可能性が高いと突き止めた。さらに、複数の毒を持っていることも新たに分かり、将来的には医療分野で役立てたい考えだ。
審査は、着想や研究サイクルなど4項目で行われ、鈴木さんの研究が最優秀賞に選ばれた。
鈴木さんは「まずは毒の成分の特定を急ぎたい。僕が思っているたんぱく毒なら、抗がん剤開発につながるような研究を進めたい。高校生のうちにできることをやって、さらに大学で発展させていきたい」と話している。