初夏の陽気となった17日、日本海に面した坂井市三国町では、地元の海女がアワビの稚貝を放流しました。
放流されたのは、2024年12月から福井市の中間育成施設で育てられたアワビ。外敵に食べられるリスクが低くなる3センチほどの大きさに成長しています。
アワビの稚貝の放流は、福井県嶺北地域の漁協などでつくる栽培漁業推進協議会が、水産資源を維持するため毎年行っていて、17日は坂井市三国町で地元の海女たちが約2万2000個を放流しました。
稚貝は3年から4年かけて、漁獲の基準となる10センチまで育つのが一般的。ただ、地元漁協の担当者は「(近年)アワビの生育環境はあまり良くない。温暖化で(餌となる)海藻が生えていない。普通なら4月5月は一面に生えているが全然ない」と心配しています。
農林水産省によりますと、福井県内のアワビの漁獲量は2016年以降、15トン前後で推移。しかし、2023年は8トンで、初めて10トンを切りました。こうした状況について、福井県水産課は「栽培漁業の支援や藻場の調査を行うなどして資源の維持に努めたい」としています。