世界的にウナギの稚魚が激減し価格が高騰していますが、このウナギを特産品として売り出している福井県若狭町でも危機感が募ってます。
ウナギの生息地として知られる三方五湖。若狭町の保育園児たちが21日、2700匹余りの稚魚を放流しましたが、ここにも稚魚高騰の影響が出ていて、地元の漁業者は危機感を募らせています。
国内で親しまれるニホンウナギは4年前、国際的な自然保護団体から「絶滅危惧種」に指定されました。水産庁の統計ではニホンウナギの稚魚の漁獲量は過去15年間、減少傾向にあります。それに合わせて価格も高騰。去年の取引価格は最も安かった年と比べると7倍近くになりました。
地元の若狭町・海山漁協では鹿児島県で養殖した稚魚を購入していますが、今年はさらに価格が上がったといいます。同漁協の田辺善治組合長は「養殖稚魚の価格は去年の1.2~1.3倍。かなり厳しい状況」と現状を憂います。
危機感を募らせるのはウナギ料理店も同じです。三方五湖の近くにある店「魚三(うおさん)」でも漁獲量の減少の影響を受けています。魚三の千田寛二さんは「2月に値上げした。高くなると家族で食べるのが難しくなるし、食文化の継承にも影響がでる」と心配を募らせます。
若狭町のウナギは最近10年ほどで全国的に有名になり、県外からの宅配の注文も増えていますが、夏に向けて十分な量が確保できるかは分からないといいます。