地域の文化財を国の内外に発信し、地域振興につなげようと、文化庁が3年前に設けた「日本遺産」。この日本遺産に、去年認定された「北前船寄港地・船主集落」に県内から新たに坂井市と小浜市が24日、追加認定されました。日本遺産は、この日発表された13件を含め計67件が認定されています。
日本遺産の追加認定を受け、坂井市三国町のえちぜん鉄道三国駅舎前広場では、坂本市長はじめ関係者が出席して記念セレモニーが行われました。「三国湊」は江戸から明治にかけて北前船の交易で日本海側有数の港湾都市に発展しその名残は今も三国の旧市街地に色濃く残っています。この交易で財をなした森田家など豪商が財政面で福井藩を支えました。市は日本遺産登録を街づくりや観光の振興につなげたいとしています。
また、鯖街道に続き二つ目の日本遺産認定となる小浜市でも記念セレモニーが行われ、北前船が運んだ昆布にちなみ「昆布(こぶ)巻き」が振る舞われました。小浜市には廻船問屋の建物や料亭など寄港地の繁栄を伝える建物、航海の安全を祈願する奉納物などが数多く残っています。市では今後、日本遺産の認定地域と連携し文化交流などを展開したいとしています。
去年認定された「北前船寄港地・船主集落」には、これまで敦賀市や南越前町、山形県酒田(さかた)市など、ゆかりの全国11自治体が認定されていました。この11自治体で作る協議会が、北前船の寄港地だった全国のほかの自治体に日本遺産への申請を呼び掛け、今回県内の坂井市や小浜市を含む27の自治体が追加認定されたものです。